〜京浜急行電鉄〜


 京浜急行電鉄は、泉岳寺〜浦賀までの本線、途中の堀ノ内〜三崎口までの久里浜線、金沢 八景〜新逗子までの逗子線、京急のルーツとなった京急川崎〜小島新田までの大師線、そして 京急蒲田から羽田までの空港線の5つの線からなっている会社です。実際のところは、品川から 三崎口までの区間が本線といっていいような運行形態となっています。
 品川から横浜までは、JR線と併走し、昔から乗客獲得のためにスピード争いが激しかった区間 で、関西では珍しくないのですが、関東では唯一の区間です。現在は京急が日中などの快速特急の 120km/h運転を行なっており、所要時間の面では京急の方がやや早くなっています。
 車両面では、こうした高速性能を確保するためにオールMの編成が多く、1000形はすべてM車という 中身となっています。また、東急車両製と川崎重工製の車両の比率がほぼ半々で、制御機器も 共同設計だったり競作だったりした歴史こそあれ、三菱と東洋のものが伝統的に採用されています。
 また2000形では、関東初の料金不要のクロスシート車となり、ブルーリボン賞を受賞しているほか、 800形ではローレル賞を受賞、京急の人気の高さをうかがわせています。
 1998年3月には2000形の後継車である2100形が登場しています。また2002年4月には新しい3扉通勤車 である新1000形が登場しました。

※写真をクリックすると、各形式の詳細ページに飛びます。(新フォーマットのみ)


新1000形 新1000形
走行音[kq1000na.rm/RA8.0形式/510KB]
収録区間:京急蒲田→京急川崎(2002.4.20)
制御方式:VVVFインバータ制御(独シーメンスGTO、1C4M制御)
主電動機:190kW(歯車比83:14=5.93)
※2100形と制御装置は同一ですが、駆動装置のたわみ板が特殊鋼製からCFRP製に変更されています。 起動時の変調音が変わったほか、高速時や惰性時の走行音も少し変わっているようです。

走行音[kq1000nb.rm/RA8.0形式/420KB]
収録区間:北久里浜→京急久里浜(2002.4.20)
※左右でドアチャイムの音色が異なります。発車時は海側、到着時は山側のドアが開いています。

2109F 2100形(走行音)[kq2100a.ra/173KB]
2100形(横浜発車時の空転)[kq2100b.ra/197KB]
2100形(減速滑走〜ATS作動〜再加速空転)[kq2100c.ra/177KB]
 1998年3月28日、京急創立100周年記念と、21世紀へ向かう車両という意味をかけあわせた2100形が デビューしました。2000形の後継車であり、関東では料金無しで乗車できる初めての転換クロスシート車です。制御装置は 日本ではJRのE501に次ぎ2例目となる、ドイツ・シーメンス社製のVVVF装置を採用しています。
 600形608F以降の編成で採用に踏み切った1C4M、MT比1:1の編成では、雨天時での空転・滑走による 乗り心地の低下、加速度の低下が予想以上に激しく、この2100形では1C4Mで粘着力を最大限に引き出す ことのできる、スリップ・スライドコントロールを古くから研究してきたヨーロッパの技術を採用する ことになりました。音は、E501系同様「ドレミファソ・・・」で始まります。ただし、減速時には 鳴ってくれません(笑)。
2101F  車内の転換クロスシートや、空気圧縮機や電動機にいたるまで、外国製部品が多く使われている のがこの形式の特徴です。なお、ドア幅は1200mmでちょっと狭めです。ドア上には京急初のLEDの 案内表示器が設置されています。
 外から見ると、シーメンス製のVVVFの箱は偏平な形をしており、またサハにダブルパンタが取り付 けられて、しかも床下にあるSIVの箱がVVVFの箱そっくりな形をしているため、思わず見間違えてしま いそうです(笑)。
 走行音は、デビューしたばかりであるものの誰もいないところを狙って、平日朝の下り特急で収録 してみました。また、初乗車の4月1日の午後から降り始めた雨では、予想もしないほど豪快な空転・ 滑走を披露してくれました。このページではその時の音を掲載しています。なお、横浜発車時に 入っているアナウンスは女性の声です。今後、京急では女性の車掌さんも登場するということで、 その見習い実習にたまたま当たったのでしょう。
 大反響を呼んだ空転・滑走の音は一度聞く価値有りだと思います。ま、この音がクリープ制御の 特徴といえば、それまでなのですが、何も知らないと「力任せ」の加速です。

600形601F 600形(1C8M東洋)[kq600ta.ra/166KB]
600形(1C8M三菱)[kq600ma.ra/184KB]
600形(1C4M東洋加速)[kq650ta.ra/127KB]
600形(1C4M東洋減速)[kq650tb.ra/119KB]
600形(1C4M三菱加速)[kq650ma.ra/162KB]
600形(1C4M三菱減速)[kq650mb.ra/116KB]
 600形は、1994年登場の次世代通勤車です。1500形同様、1000形の後継車と見ることができるよう です。3扉クロスシートで運用範囲は快速特急から急行までと範囲が広いです。登場時は、座席数を 変えられるという世界初の収納式腰掛けを開発し、「ツイングル600」という愛称名がつけられていました。 しかし現在はそのツイングルも座席引き出し状態に固定され、608Fや650番代の4次車の編成では ツイングルシートそのものが廃止になっています。
 1994年3月登場の601F・602F、1995年3月登場の603F〜605F、6月登場の606F・607Fについては制御装置を 含めた足回りはいずれも1500形VVVF車とほぼ同一で1C8Mタイプであり、三菱・東洋ともに音自体は ほとんど同じです。
600形607F  大きく変わったのが1996年登場の4次車で、600形で初めての4両編成が登場しました。しかし、 1500形ベースの1C8M車では、4連はオールM編成となってしまい編成の出力が過剰になってしまう ことから、この解結のために4次車では1C4M制御のVVVFとし、モーター出力をアップさせてMT比を 700形以来の1:1に踏み切りました。また車端ダンパが廃止されたり、シングルアームパンタに なるなど各所に細かい変更点が見られ ます。特に、4次車唯一の8連である608Fでは、三菱と東洋のVVVFを両方搭載するなど試験的要素が強い 編成となっています。また車内には「メディアルトラン」と呼ばれる車内放映設備を搭載し、 三菱製のプラズマディスプレイを各車2台ずつ千鳥配置されているのが目に付きます。
 4次車では東洋VVVFを積んだ編成にはあまり音が変わったようなことはなかったのですが、 三菱VVVFを積んだ編成はかなり変わっています。
 なお、4次車の音についてはすべて松井啓祐さんに収録してきてもらったものを使用しています。 また、1C8Mの東洋だけゴマカシがあるのですが、MDでは跡が残ってしまいますね・・・音質はさすがです。

1500形VVVF車 1500形(東洋VVVF)[kq1700ta.ra/185KB]
1500形(三菱VVVF)[kq1700ma.ra/185KB]
1500形(東洋+三菱VVVF)[kq1713fa.ra/181KB]
 1500形は1000形の後継として1985年に登場した形式です。もともとは鋼製車体で界磁チョッパ 制御の車両でしたが、1987年からアルミ車体に変更になり、1990年登場の車両からは番号を1700番代に 飛ばしたVVVF先行試作車1701Fが登場しました。そして翌年からの車両についてもVVVF制御とされ ました。1500番代との大きな違いは、前面にスカートを装備していることでしょう。VVVF車は8連 6本が在籍しています。
 この番代にはGTOサイリスタを用いた1C8M制御の東洋製VVVFと三菱製VVVFの2種類がありますが、 数としては東洋の方が多いです。なお、1713Fには、東洋のユニットに三菱のユニットが挟まれているため、 連結面からは双方の異なる音が聞こえてきます。東洋の方は何の変哲のない標準の音、三菱も 標準の音ですが、やや東洋の音に似ていているかな、という音です。
 快速特急の120km/h運転に先立って、この1500形VVVF車のグループの車はすべてブレーキの 増圧改造を受けていて、120km/h運転が可能となっています。


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(C)音鉄館/OTOTETSU-KAN/おとてつ 1997-2009 作成:1998年5月10日 最終更新:2009年1月25日
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