〜熊本市交・8200形〜
8200形は1982年に登場した、日本初の営業用VVVF制御車で、日本の鉄道技術史に多大な功績を
残した車両として知られています。試験車を含めても営団地下鉄・日立製作所・大阪市交に次いで
4番目に登場したVVVF車となり、いかに早かったかがお分かりになると思います。VVVF車の導入が
早かったのは、VVVF制御の短所である誘導障害に対する軌道短絡が路面電車にはなかったことと、
架線電圧が600Vであることから耐圧性について有利であったことなどがあげられます。このため
路面電車ではチョッパ制御車両が少なく、広島と長崎で2形式が投入されたにすぎません。 制御装置は三菱製の逆導通サイリスタを用いた1C1Mのタイプで、1台のインバータで120KWの モータを駆動している1車両1モータ式が採用されています。台車はM台車とT台車が1つずつで、 M台車は直角カルダン両軸駆動と いう珍しい駆動方式が使われています。なお、ブレーキは回生制動付きで失効した場合は発電 制動に切り替わるようになっています。 車内はロングシートと1人がけの転換クロスシートが千鳥配置で並べられていて、ドアは 前・中扉ともに折り戸になっています。8201には「しらかわ号」、8202には「火の国号」という 愛称名が付けられています。8201と8202は車両の向きが異なっていて、連結器の向きも逆なのが 特徴です。 |
8200形のVVVF装置は、枕木方向に取り付けられています。下から見上げればその全容を
見ることが出来ますが、横からはなかなか見えにくいです。 8202、田崎橋にて。(1999/03/04) |
8200形の車内です。車内はロングシートと1人がけの転換クロスシートの配置です。転換クロスは
一つを動かすと他も動いてしまうので、転換にはかなりの力が必要なようです。
8202、健軍町にて。(1999/03/04) |